遺伝形式の特定と簡易判定
遺伝形式を特定するには

遺伝形式は発病者の家族・血縁者の病歴を聞き取り調査することによって推定していくものです。両親、祖父母はもちろんのこと、曽祖父母、おじ、おば、おい、めい、いとこ、はとこにいたるまで、可能な限り広範囲に調べてください。情報が多ければ多いほど特定は容易になり確実性が増します。
遺伝子検査(血液検査)で調べることもできなくはないのですが、これまでに判明している(無数にあるうちのごく一部の)原因遺伝子に合致した場合のみ判別が可能です。つまり、遺伝子検査に出しても何もわからないケースの方が多いだろう、ということです。
遺伝形式の簡易判定
上から順に、消去法で判定していってください。ただし、これはあくまでも簡易的なものにすぎません(例外的なケースもあります)。それぞれの遺伝形式の詳細はリンク先ページにて解説しています。
- すべての世代(親、祖父母、曽祖父母)に発病者がいる。
→ 優性遺伝 - 両親は近親婚である。両親ときょうだいは健常者である。
→ 劣性遺伝 - 発病者は男性だけである。両親と姉妹は健常者である。
→ 伴性遺伝 - 上記のいずれにも当てはまらず、他に発病者がいる。
→ 二遺伝子性遺伝 - 上記のいずれにも当てはまらず、他に発病者がいない。
→ 散発例
管理人のケース 祖父母の世代に網膜色素変性症の発病者はいませんが、親と親のきょうだい、自分と自分のきょうだい、と二世代にわたって網膜色素変性症の発病者が複数います。男女差がないことや、他の遺伝形式には当てはまらないことなどから、二遺伝子性遺伝であると結論づけました。 【追記】 再考した結果、優性遺伝の可能性も大いにあることがわかりました。祖父母は発病していませんが、どちらか一方が保因者(見かけ上は健常者)である確率は23〜32%と低くないからです。 |
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